RaspberryPiの有線接続#

実験室以外で実験を行う時,モニタやマウス・キーボードがなくIPを確認できないことがあります.このような場合にRaspberryPiへ接続できるようにします.

皆さんは実験室で作業をしているはずなので目の前にモニタなどがありますが,自宅などで作業を行うときは機材が十分に揃っていないことがあるかと思います.このような状況下でも作業ができるように,LANケーブルのみで接続できるような有線接続のための設定をしておくと便利です

最終的な構成は以下のようになります.

RaspberryPiの接続

RaspberryPiの有線LANデバイスにIPアドレスを設定#

情報科学実験Aで配布したRaspberryPiのEthernetデバイスに固定IP(192.168.1.101)を設定します.

RaspberryPiで/etc/dhcpcd.confを開いてください.下記のような# interface eth0から始まる記述を探します.

# interface eth0
# static ip_address=192.168.0.10/24
# static ip6_address=fd51:42f8:caae:d92e::ff/64
# static routers=192.168.0.1 8.8.8.8 fd51:42f8:caae:d92e::1

全ての行頭から#を削除し,static ip_addressの項目を192.168.1.101に,static routersの項目を192.168.1.1に書き換えてください

interface eth0
static ip_address=192.168.1.101/24
static ip6_address=fd51:42f8:caae:d92e::ff/64
static routers=192.168.1.1 8.8.8.8 fd51:42f8:caae:d92e::1

以下のコマンドを実行します.

$ sudo systemctl restart networking

これでRaspberryPi側の設定は完了です.以降の本資料において記載されているRaspberryPiのIPアドレスは全て無線で接続する際のIPアドレスです.よって,有線接続で実験を行う場合,実験サイトに記載されているRaspberryPiのIPアドレスは192.168.1.101に読み替えて実施してください.

補足)Raspberry Pi(Linux)でのファイル編集方法#

Raspberry Pi(より一般的にはLinux)でのファイル編集方法は色々あります.GUIが使える場合はファイルマネージャから目的のファイルを探してダブルクリックすれば,標準のテキストエディタ(RaspiであればLeafpadなど)で編集が可能ですので,この方法を使うのが楽でしょう.

ただし,常にGUIが使えるわけではありません.たとえばWebサービスを提供するアプリケーションサーバやDBサーバなどには,そもそもGUIが搭載されておらず,SSHなどを利用してリモートからCUIでアクセスすることがほとんどです.このような場合にファイルを編集するにはどうすれば良いでしょうか? そのために,viやemacsといったCUIから利用可能なテキストエディタが存在します.たとえば,上記の/etc/dhcpcd.confをCUIからviで編集したい場合,以下のコマンドでファイルを編集してください.

$ sudo vi /etc/dhcpcd.conf

Caution

/etc/dhcpcd.conf はシステムファイルのため,ユーザによる編集権限がありません. このような場合 sudo を前につけて管理者権限で編集を行います. くれぐれも編集内容には気をつけて作業を行なってください. 編集前のファイルをバックアップしておくと安心です.

CUIのテキストエディタ(たとえばvi)の利用方法は少し特殊です.これに関してはインターネット上に多くの解説サイトが存在します. 特に将来エンジニアを目指す方は使うことになる可能性が高いツールですので,この機会に自分で探して使えるようになっておくと良いでしょう.

PCの有線LANデバイスにIPアドレスを設定#

WindowsPC上のイーサネットデバイスにRaspberryPiと同じサブネットワークのIPアドレス(192.168.1.102)を設定します.

ただし,Windows上で複数のイーサネットデバイスを認識している場合がありますので(特にVirtualBoxなどのVM環境を構築している場合は仮想イーサネットデバイスが存在するはず),RaspberryPiと接続したイーサネットデバイスを確認してから作業を進めてください.

また,Windows 10と11で途中までの操作が異なります.それぞれの項目を参照してください.

Windows 10の場合#

Windowsで設定を開き,ネットワークとインターネット>状態を選択してください.下までスクロールすると,「アダプターのオプションを変更する」という項目が見えると思いますので,クリックしてください.

win-adopter1.png

RaspberryPiと接続したイーサネットデバイスのプロパティを開きます.

win-adopter2.png

Windows 11の場合#

Windowsで設定を開き,ネットワークとインターネットを選択,下までスクロールしてネットワークの詳細設定を選択してください.

win11-adopter1.png

RaspberryPiと接続したイーサネットデバイスを選択し,その他のアダプターオプションを選択してください.

win11-adopter2.png

【Windows 10/11共通】イーサネットのプロパティ変更#

インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)のプロパティを開きます.

win-adopter3.png

IPアドレスとサブネットマスクを設定します.

  • IPアドレス:192.168.1.102

  • サブネットマスク:255.255.255.0

static_ip.png

コマンドプロンプトからipconfigコマンドを実行し,IPアドレスとサブネットマスクが設定されたものであるか確認してください.

$ ipconfig

イーサネット アダプター イーサネット 2:
…
   IPv4 アドレス . . . . . . . . . . . .: 192.168.1.102
   サブネット マスク . . . . . . . . . .: 255.255.255.0

接続確認#

RaspberryPiとPCをLANケーブルで直結します(以下の例ではUSB接続のLANアダプタを使っていますが,PCに備え付けの有線LANポートがあればそれに接続します).

raspi-pc.jpg

コマンドプロンプトからRaspberryPiのIPアドレスにpingを実行し,正しく応答があるか確認してください.

$ ping 192.168.1.101

192.168.1.101  ping を送信しています 32 バイトのデータ:
192.168.1.101 からの応答: バイト数 =32 時間 =18ms TTL=64
192.168.1.101 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=64
192.168.1.101 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=64
192.168.1.101 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=64

192.168.1.101  ping 統計:
    パケット数: 送信 = 4、受信 = 4、損失 = 0 (0% の損失)、
ラウンド トリップの概算時間 (ミリ秒):
    最小 = 1ms、最大 = 18ms、平均 = 5ms

VNCClientによる接続#

VNCを起動し,RaspberryPiのIPアドレス(192.168.1.101)に接続します.

  • ユーザ名:pi

  • パスワード:raspberry

vnc1.png

初回のみセキュリティ警告が出ますがContinueを押し,ユーザ名とパスワードを入力します.

vnc2.png

デスクトップ画面にログインできます.

vnc3.png